チェーホフ『かもめ』 2012年9月 (100分 de 名著)
どうやらこの「100分 de 名著」シリーズは全て、550円というありがたい料金設定らしいですね。
いつも書いているように他のNHKテキストはちょっとお高いですが、今回は迷わず買えました。
「かもめ」を一場、一章ごとに追いながらも、劇中のセリフやその表現に関連付けて、チェーホフの他の作品(小説、戯曲、随筆など)や彼の人生で起こった出来事なども紹介されています。
夢中で読んでしまいました。なによりチェーホフがどんな人だったのかが、よく分かって良かったです。
読んだ後は、すぐ「かもめ」を手に取りました。
やっぱり面白いです。
村上朝日堂の逆襲 (新潮文庫)
この本は初めて読みました。
僕にとってはもはや数少ない未読の村上春樹の本です。
ずいぶんリラックスして、楽しそうに書いている印象です。
まあ、それは、他のエッセイでもそうなのですが(村上ラヂオなど)、この本はプラスアルファなかなか「くだけた」感じがします。
エッセイの中ではかなり初期に書かれたものだからかもしれません。
僭越ながら、「ああ、村上春樹若いなあ」と思ってしまいます。
「若いなあ」
ということで、ひとつ似たようなエピソードが。
僕は小学校低学年の頃からテレビで全日本プロレスを見ていました。
金曜か土曜日の夜9時から「熱き名勝負集」という番組がやっていて、よく父と見ていました。
三沢がそろそろ鶴田やハンセンに勝とうと頑張っている頃です。
僕はその頃から小橋と三沢が好きです。
まあそれはおいといて
そんな三沢、小橋の後ろで頑張ってる若い青いパンツの選手がいました。
秋山選手です。
若い選手はタッグマッチなどで標的にされます。
散々外国人レスラーに痛めつけられる彼の姿を見て僕は
「何だよこいつ!全然頼りにならんじゃん!」
「もう!早く小橋にタッチしろし!」
なんて甲州弁丸出しで、彼に非難の言葉を浴びせました。
小学生にそんなこと言われるなんて、プロレスラーというのは随分因果な商売だなと思います。
ともかく、一度染み付いた印象(特に幼い頃)というものはなかなか払拭しがたく、僕にとって秋山準選手という人は
「若造」
なんです。
いくら年上でも、どんなに申し訳ないと思っても
「ああ、こいつ頑張ってるな、若いなあ」
と、どうしても僕の方が年上設定で見てしまいます。
というお話。
もちろん秋山選手は大好きです。
2004年のNOAH東京ドーム大会、秋山準vs小橋建太は生で涙しながら見ていました。
最近は昔のようにプロレスを見ることもなくなってしまいました。
しかし僕が見る見ないなんていうことはまったく関係なく、彼らの戦いは続きます。
「物語は終わっても、人生は続く。」
といった感じです。
それではまた。
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