2013年03月



ご無沙汰しております。


kabukitenn

六本木に観に行ってきました。

「歌舞伎の役者絵の展覧会などはよくあるが、今回は歌舞伎の劇場、芝居小屋にスポットをあてて、その成り立ち、時代による変化、その周辺の人(役者や見物、裏方)や物(大道具、小道具、衣装)を観ていく展示会」

といった感じ。

僕はそもそも役者絵の展示会がしばしば行われていることすら知らなかったので、

「なんだよー、俺は劇場の事とかどうでもいいからさー、もっと役者の浮世絵とか、この役者がどんなやつだったとかが知りたいんだよー」

なんて、この展示会のコンセプトとはまったく逆の事を展示会を見ている最中思ってしまいました、申し訳ないです。

とはいえこの展示会も、見ていてとても勉強になりました。

特に、歌舞伎というものが生まれた初期の頃の絵です。

「河原とか原っぱの一画で粗末な小屋を立てて、珍奇な衣装を着た奴らが、なんだか変な、でも面白そうなことやってるぜ」

と、成り立ちとしては今でいうストリートライブとか路上パフォーマンス、いや、一昔前の竹の子族という表現が一番しっくり来るかもしれません。

その時代のちょっとイケてる、イカレてる若者が「これ、カッコいいっしょ?」みたいなノリではじまり、次第に「なんだあんなもの」と眉をひそめていた大人たちにもその面白さが広がり、沢山の人に愛される文化になっていったんだなあ、と想像しました。

きゃりーぱみゅぱみゅ的なものがだんだんとAKB48みたいに流行ってきて、今では普通のおじさんも人気のあるメンバーの名前は大体言えるようになってる、みたいな?

そんな風に考えるとちょっと面白いですね。


菱川師宣や鳥居清信、清倍などあまり見ることのなかった初期の浮世絵が観られたのもよかったです。

浮世絵師列伝 (別冊太陽)
浮世絵師列伝 (別冊太陽) [ムック]

ということで、浮世絵の勉強をしようと、図書館で借りてきました。

そして僕が改めて思ったのが、「もし江戸時代が続いてたとしたらこの浮世絵というジャンルはどうなっていただろう?」ということです。

僕の大好きな「最後の浮世絵師」ともいわれる月岡芳年、江戸と明治の境を生きたということで「最後」となっていますがこれ以降も優れた浮世絵師?、日本画家?はいます、河鍋暁斎、小林清親、最近行った江戸東京博物館で「なんて素晴らしいんだ!」と僕が感動した川瀬巴水など

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川瀬巴水 「日本橋(夜明)」

(正確には浮世絵ではなく新版画というそうです。知らなかった・・)

これらの僕が超カッコいいと思う浮世絵の文化が今にない(あるのかもしれませんが・・)というのが残念です。

芳年の頃既に西洋の文化は日本に入っていたわけですが、それはそれとして、浮世絵という文化がもし廃れずにもっともっと進化を遂げていっていたら、今頃どうなってたんだろう?と想像するとワクワクします。


まあ、だからこそちょっとジャンルは違うかもしれませんが松井冬子さんの絵とか観て「すげえ!超カッコいい!」と思うのかもしれませんね。


取り留めのない文章ですみません、ではまた。


最近観たDVDです。

あの頃映画 「会社物語 MEMORIES OF YOU」 [DVD]
「会社物語 MEMORIES OF YOU」 [DVD]

あの頃映画 「つぐみ」 [DVD]
 「つぐみ」 [DVD]

市川準監督の映画を、もっと観ようと借りてきました。

どちらの映画にも冒頭、東京の風景が映ります。

ビルと空

誰もいないオフィス街

出勤を急ぐ人の群れ


ウディ・アレン監督の「マンハッタン」「ミッドナイト・イン・パリ」の冒頭もこんな町の画が映ります。

どちらの監督も、これらの画がとっても素敵です。

愛をもって撮影しているのが伝わってきます。


「会社物語」のハナ肇さんは素晴らしいです。

こんなに上手くなく上手い人って最近あんまりいないんじゃないかと思います。

どうしても、上手い人は何処かに上手さが「出ちゃう」ものですが、ハナさんはそういうところがまったくありません。それは「ただ、そこにいる」とか、よく言われる「自然体」とかいう表現ではなく、なんというか、不器用なまでに「実直」にやっている、という印象で、僕はそれってすごいことだなと思います。





 さて先ほど話題に出たウディ・アレン監督「ミッドナイト・イン・パリ」の劇中、1920年代に迷い込んだ主人公がルイス・ブニュエル監督に映画のアイデアを話すシーンがあります。

それが後「皆殺しの天使」という映画になるという設定です。

僕はこの「皆殺しの天使」を観てみようとビデオ屋さんに行ったのですが、どこを探してもありません。どうやらレンタルされてないようです・・。

仕方がないので違う作品を見ました。


ブルジョワジーの秘かな愉しみ(1972) [DVD]

ブルジョワジーの秘かな愉しみ(1972) [DVD]

欲望のあいまいな対象(1977) [DVD]
欲望のあいまいな対象(1977) [DVD]

どっちも変な映画です。

筋書きは無いようで有るようで・・といった感じで、普通こんな映画は途中で「もういいや」と観るのを諦めてしまいそうなのですが、なんか惹きつけられて最後まで観てしまいました。

観てる人がちょっとダレてきたところで「おやっ」となるシーンを挟んだり、集中が途切れるギリギリのところを見計らってうまく場面転換したり、時間の使い方がとても上手いと思いました。

たぶんこの絶妙な時間の使い方と、「あくまでも見世物なんだ」というちょっとした俗っぽさが、この映画を「只のよく分からない不条理劇」で終わらせない不思議な魅力をもった映画にしているんだという気がします。

そして「欲望のあいまいな対象」のキャロル・ブーケさんはとても美しかったです。

彼女がボンドガールを務める「007 ユア・アイズ・オンリー」を観てみようと思いました。


やっぱり「皆殺しの天使」がどうしても観たくなりました。

DVDをお持ちの方、レンタルしているところをご存知の方、ぜひご一報ください!


次郎長三国志 第二集 [DVD]
次郎長三国志 第二集 [DVD]

第三部で長らく観るのが途絶えていた「次郎長三国志」シリーズですがようやく「次郎長三国志第四部 勢揃い清水港」を観ました。

森の石松が活躍してたわりに三部が正直言ってそこまで面白くなかったので心配だったのですが第四部はとても面白かったです。

最初の頃はまだちょっとおっとりした印象だった次郎長が、今はしめるところはきっちり締める親分らしくなってきていてそれだけでも「ああ、観続けてきてよかったなあ」と嬉しくなります。女将さんとして一家を切り盛りする妻のお蝶さんの成長ぶりにも。

新たに「三保の豚松」が登場します(「七人の侍」の加東大介さん)。

小泉博さん演じる「追分の三五郎」のイケメンだけど口からでまかせを言うダメっぷり、かたや森の石松の不器用さ、二人の対比は三部にも見られましたが、三五郎の失態は自分の責任だと泣く泣く三五郎を切ろうとする石松は馬鹿正直で、やっぱりとても愛されるキャラクターです。

「勢揃い清水港」というタイトルにふさわしく、最後は次郎長一家全員での大立ち回り。

正直に言って、このシーンよりよく出来ている殺陣のシーンなんて、他の映画にそれこそ数え切れないぐらいあると思います。流れるような綺麗な殺陣、目にも止まらぬ早業、リアリティのあるアクション、吹き出す血飛沫など、この映画にはありません。CGなんてもってのほかです。

しかし「映画の本質とは?」「娯楽の本質とは?」このシーンを見ているとそういったことを問われているような気がします。

どの役者さんも、一所懸命、自分の生命力を尽くして演じています、しかも楽しそうに。それが画面から溢れてきます。泣くシーンでもなんでもないのに涙が出てきました。

生命力が爆発してるのを見ると、前置きも理由もなく人は感動するものです。



こういう、意味不明に、人をドーーー!っと感動させるような、そんな作品を作りたいと思いました。


ではまた。

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