2011年02月

 最近、吉川英治の「新・平家物語」を読んでいます。

とても長い小説でまだ半分くらいまでしか読んでいないのですが、大変面白いです。

今から5,60年前に書かれた小説なのですが、そうとは思えないほど読みやすく、また、歴史上の人物がまるで見てきたかのように生き生きと描かれていることに驚きました。

それらの秘密を探りたいのと、彼自身に興味が湧いたので彼の半自伝「忘れ残りの記」や随筆、対談集なども読んでみました。



 吉川英治氏はお若い時から色々な職を転々とし、だいぶ苦労なされてきた方のようです。もっとも(すごいことに)本人はそれを苦労とはあまり思っていないのですが。

作家となるまでのそうした経験からか、彼は人気作家となった後でも、普通の人(彼語るところの大衆)の感覚を忘れませんでした。

作家として一段上から大衆を見下ろす事をせず、大工さん、染物屋さん、お百姓さん、それぞれの職業に対して尊敬の念を持ち続けていました。

また彼は歴史上の人物に対しても、様々な文献を読み解くと同時に、自分なりの空想を大いに膨らませ(空想は彼のもっとも得意とするところ)、「吉川英治の歴史小説」を描いています。(そしてそれをもとに、井上雄彦は「井上雄彦の宮本武蔵」を漫画「バガボンド」で描いています)

自分や大衆に寄り添った、時代を超え「何か」が今の自分たちとリンクする、そんな歴史小説を描こうという意欲があります。


それらが、歴史を超え、書かれた時代を超えて、なお愛される彼の作品の秘密なのかなと思います。



 「新・平家物語」は、あと半分くらいです。

平清盛が死に、木曽義仲が活躍しています。

これから平家はどうなるのか、頼朝と義経の関係がどう描かれるのか等々、とても楽しみです。

読み終わったら「宮本武蔵」を読もうか、いや「バガボンド」の連載が終了してからにしようか、悩みます。

 
 僕は最近、荒木飛呂彦の漫画「スティール・ボール・ラン」を読んでいます。

「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズのPart7です。

私見ですが、「ジョジョ」は「漫画喫茶で読んではいけない漫画ランキング」で、かなり上位にランクインするのでは?と思います。

ちゃんと読まないと内容が理解できないいままに話が進んでしまいます、また絵も緻密で一コマ一コマの情報量も多く、これもまたちゃんと見ないと味わいが半減してしまう気がします。

以上の理由で、時間と戦い、一時間に何冊「消化」できるかが勝負 といった側面もある漫画喫茶には、「ジョジョ」は向かないなあと思うのです。

ですのでこういった「ちゃんと読まなきゃ系」はコミックも貸し出しているレンタルビデオ屋さんで借りるのがいいと思います。

買えよ て感じですよね。


 話を戻しまして「スティール・ボール・ラン」、まだ最新刊まで読んでいないのですが、とってもおもしろいです。

中でも7,8巻辺り、ジャイロ・ツェペリがリンゴォ・ロードアゲインと闘うエピソードは本当にカッコいいです。

その中のセリフに「納得は全てに優先する」という言葉が出てきます。

 

「納得しない限り前に進めない」とジャイロ・ツェペリはいいます。

 

僕はこの言葉が本当に心に響きました。

 

僕なども(キャパシティーが狭いのか)ちょっとした事でも考え込んで立ち止まることがままあります。(逆に何も考えずにやらかしてしまうこともままありますが・・)

 

もちろんそういった考え方によって失敗することはあります。

 

例えば、立ち止まっている間に機を逃してしまって

 

「もっと早く、考えてる間にやっときゃよかった」

 

なんてよく思います。

 

だから全てにおいて「納得」を求める事が良いのかと聞かれたら、それはまだ僕にはわからないのですが・・。

 

でも、ほんの些細なことでも

 

「この疑問を今、ここに残して先に進んだら、よくないな。」

 

と感じたら、絶対にその疑問は解決するべきだと思う自分がいます。

 

なのでジャイロの台詞にはとても共感できましたし、「こんな風に思うのは自分一人じゃないんだ」とうれしく思いました。

 

「納得は全てに優先する」

 

愚直で、とてもカッコいい言葉だなと思いました。


おわり


追記

なぜ日記のタイトルが「男の世界 part 2」かというと、そのジャイロ・ツェペリがリンゴォ・ロードアゲインに勝利した際、最後に敵であるリンゴォがジャイロに

「ようこそ・・『男の世界』へ・・・」

と言って倒れるシ-ンがあったからです。

ここも本当にカッコいいです。

よかったら読んでみてください。

では

さよなら、愛しい人さよなら、愛しい人
著者:レイモンド・チャンドラー
早川書房(2009-04-15)







を読みました。

訳は村上春樹です。

とっても「ハードボイルド」でした。

幾分時代遅れなこの本の表紙(図書館で借りたのですが2009年出版とはとても思えなかった)も今なら納得できます。

ただ僕は同じフィリップ・マーロウ(主人公の私立探偵)シリーズでは、後に書かれた

ロング・グッドバイ (ハヤカワ・ミステリ文庫 チ 1-11)ロング・グッドバイ (ハヤカワ・ミステリ文庫 チ 1-11)
著者:レイモンド・チャンドラー
早川書房(2010-09-09)







「ロング・グッドバイ」のほうが面白かったです。あくまで好みですが。

「ロング・グッドバイ」のほうのフィリップ・マーロウは、やや枯れていて

「失った」男の美学 というか

「無い」を知った男 といいましょうか

何かを「経て」そこにいる感じがしました。

執筆した年に13年も隔たりがあると同じ登場人物でもだいぶ違って見えるものです、同じ緑ジャケットでも「旧ルパン」(ハードボイルド)と「カリオストロの城」(おじさま?)のルパン三世が全然違うように。

ちょっと乱暴な例えでした。

ともあれこの「さよなら、愛しい人」、ハードボイルドの教科書のようで存分に古き良き「男の世界」を楽しめました。


 「男の世界」といえば・・・

続きはまた

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